#1「空色~そらいろ~」1
・・・・・・・・・。
「それじゃ母さん、行って来るね」
「ああ、気を付けてね」
・・・澄み渡る空の下、1人の少年が少し駆け足で出て行った。
「フォー、行って来るね」
「フォー!」
ドラゴンのフォーにも挨拶を交わし学校へ・・・。
「やぁカイト君、今日も元気だね」
「カイト君ー、事故には気を付けてね」
「ボーゥ」
「はい、行って来ます」
いつも通りの賑やかな朝、近所の人達にも挨拶を交わした。
少しだけ落ち着いた様子の少年、彼の名前はカイト。
・・・・・・。
「そんじゃ、4時に別校舎で」
「ああ、分かった」
風が止んでいた。
学校では、約一週間後迫っていた学園祭の準備に追われていた。
「さて、一旦荷物を置いて・・・」
広い草原を出た所で、人の姿が見えた。
それは、1人の女の子だった。
少し背丈は小さく、さり気なく見て少しだけ幼げに見えた。
(見たことの無い女の子だなぁ・・・ここに引っ越してきたのかなぁ・・・?)
カイトは急いでいたので、チラッと見てその場を後にした。
・・・・・・・・・。
「じゃ、また明日な」
「ああ」
・・・気が付けば夕日は沈んでいた。
家までの道を少し急ぎ足で帰宅していた。
その時・・・ふと、通り過ぎた時に見かけた1人の女の子がいた。
(あっ・・・)
その女の子は、最初に見た場所からあまり動いていないようで・・・。
(何をしてるんだろう・・・?)
その女の子はずっと、空を見ているようだった。
カイトは気になりながらも、そこから動く事が出来ずにただ、見ている事しか出来なかった・・・。
・・・・・・。
・・・。
(あの子は今日もいるのかなぁ・・・?)
今日も、学園祭の準備で、別校舎に向かう途中の道を歩いていた。
いつからか、昨日の姿を探して・・・。
「・・・・・・・・・」
・・・昨日の女の子は立っていた。
その姿はまるで、空に向かって祈りを捧げてるように見えた。
今度は、声をかけようと思って・・・いたのに、何だか邪魔をしてはいけない雰囲気にカイトはまた動けずにいた。
いつの間にか、カイトは女の子のその姿に見惚れていた・・・。
「・・・・・・?」
女の子はふと、カイトの方を見た。
「・・・君は誰なの?」
「・・・!?」
呆然と立っていたカイトは、突然の声に急に我に返った。
「え、えーと、君はこの町じゃ見かけないけど、ここに引っ越してきたの・・・?」
少し、取り繕う感じでカイトは女の子に話し掛けた。
「うん、3日前にこの町に着いたんだよ」
離れた場所から見てた時は、少しだけ大人びていて・・・でも、物悲しくもあった。
実際に話してみると、女の子らしく明るい雰囲気があった。
「あ、そういや自己紹介がまだだった・・・俺はカイト。君は・・・」
そう女の子に話し掛けると、嬉しそうな顔で話し始めた。
「私は・・・ミナギってゆうの」
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