#9「冬始~ふゆのはじまり~」4
「それじゃ、ミナギ」
「うん、また明日ね。カイト」
「フォーもおやすみ」
「フォー」
カイトは、フォーの頭を撫でてミナギの家を後にした。
・・・・・・・・・。
パタン。
「ふぅー・・・」
カイトは、誰もいない家に明かりを点けて自分の部屋に戻った。
これから、どうすれば・・・
じっとしていても仕方ないので、カイトは自分の部屋の荷物を広げてみた。
がさっ・・・
「あれ?」
上の戸棚を開けると、少し小さめな包みが出てきた。
「何だろ・・・これ?」
カイトはとりあえず開けてみる事にした。
「これは・・・」
包みの中は黄色いリボンだった。
「俺、こんなの買ったかなぁ・・・?」
自分の部屋にあったのだから、自分が買ったのは間違いなかったが・・・いつなのかハッキリと覚えてなかった。
誰かにあげる為・・・?
でも・・・誰にあげる為に買ったのだろう・・・?
ミナギ・・・?
でも・・・初めて出会ったのは学園祭の準備をしていた時・・・
小さい時・・・初めての友達・・・
誰だったのかな・・・?
また会おうねと・・・約束、交わしたような・・・
・・・・・・。
しばらく、記憶の中を辿ってみたが、途切れ途切れで上手く思い出せなかった。
何か、大事な事・・・忘れてるような・・・
考えてみても出てこないので、包みは机の上に置く事にした。
「・・・・・・」
やっぱりまた、あの人の所へ相談しに行こう・・・
このまま消えてしまうのを待ってる程、俺は諦めが悪いらしい・・・
たとえ、助かる方法が無くても・・・
これ以上、考えても仕方がないので、明日にする事にした。
「さっ、もう寝ようかな?」
カイトが起き上がろうとした時、急に目の前が一蹴だけ真っ暗になった。
「うっ、ごほっ、ごほっ・・・」
カイトは、慌ててポケットの中の薬を飲んだ。
・・・・・・・・・。
次の日、カイトは学校を休んだ。
「風邪」と、嘘を吐いて・・・。
・・・・・・・・・。
その次の日も、カイトは学校を休んだ。
・・・・・・。
キーン・・・コーン・・・
学校は昼休みに入った。
昼食を食べ終えたシンジはミナギを探していた。
学食、体育館、図書館と見て回り、1年の教室に向かっていた・・・
シンジが教室の窓を覗きながら歩いてると、教室の中で友達と楽しそうに話してるミナギを見かけた。
「ミナギー」
「えっ?」
ミナギは急に名前を呼ばれて振り向いた。
ミナギが振り返ると、教室の外でシンジが手を振っていた。
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