« #8「試験~しけん~」8 | トップページ | #9「冬始~ふゆのはじまり~」2 »

#9「冬始~ふゆのはじまり~」1

枯葉が落ち・・・

冷たい風が、冬の始まりを告げた。

授業が終わって、カイト達はほうきを持って掃除をしていた。

「ふぅ・・・」

冬の始まり・・・どこか、もの悲しい・・・気持ちになって・・・

「うっ!」

カイトは急に気分が悪くなってしゃがみ込んだ。

「げほっ、げほっ・・・」

「おい、カイト大丈夫か?」

カイトは、シンジに返事の代わりに手で交わした。

少し急ぎ足でカイトは教室を出た。

・・・・・・。

少しして、カイトは教室に戻ってきた。

「あはは、ごめん皆・・・」

「カイト、本当に大丈夫なのか?」

「だ、大丈夫大丈夫」

カイトは笑って誤魔化した。そして、何事も無かったかのようにカイトは掃除を再開した。

「・・・・・・」

シンジは、カイトの事が気になったが、様子を見て大丈夫そうだったので掃除を続けた。

・・・・・・。

「カイトー、一緒に帰ろうぜ」

「ああ、いいよ」

珍しく、カイトとシンジとで帰る事になった。

「なぁ、カイト・・・」

「ん、何?シンジ・・・」

シンジがカイトの方に首を向けながら話し始めた。

「お前、本当に大丈夫なのか?」

「え?な、何だよ?」

「いや、だってさ・・・最近、よく授業を途中で抜け出す事あるからさ・・・」

シンジは、気になってる事をカイトに聞いた。

「あ、まぁ・・・ちょっと調子崩してる事はたまにあるけど・・・大丈夫だって」

カイトは、何事も無いかのようにシンジに答えた。

「なら、いいんだけど・・・カイト」

「ん?」

「あまり無茶をするんじゃないぞ。学園祭の事もあるんだし・・・」

シンジは、いつもより真剣な表情でカイトに話した。

「うん、分かってるよ・・・お母さんの事もあるし」

「まぁ、何だ、お前は1人じゃないって事・・・何か困った事があったら、俺にでも相談してもいいんだぜ」

シンジがそう話すと、カイトは「はは、大きなお世話だって」と、照れ隠しのように笑って返した。

「おっと、俺はここで・・・」

「それじゃ、シンジ」

「また明日な、カイト」

そうして、カイトとシンジは角で別れた。

「・・・・・・」

カイトはゆっくり歩き始めた。

「・・・・・・はぁ・・・」

カイトは空を見上げた。

最近、胸の辺りが苦しくなる感覚が・・・短くなっている?

もう、隠してる事・・・ばれてしまうかな・・・?

「・・・・・・」

出来る事なら、シンジにだって打ち明けたい気持ちで一杯だった。でも・・・

シンジの友達思いの気持ちが、カイトには逆に辛かった・・・。

カイトは少し不安定な気持ちのままで家に着いた。

「フォー」

「ただいま、フォー」

「フォー♪」

家に着くと、フォーが笑顔で迎え入れてくれた。

「ごめん、フォー・・・今日はちょっと・・・」

「フォーゥ・・・」

カイトはそうフォーに告げて、静かに家に入っていった。

「ただいま」

「おかえり、カイト」

カイトは、母親にただいまを言った後、自分の部屋に向かった。

|

« #8「試験~しけん~」8 | トップページ | #9「冬始~ふゆのはじまり~」2 »

小説」カテゴリの記事

#9「冬始」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519738/42958729

この記事へのトラックバック一覧です: #9「冬始~ふゆのはじまり~」1:

« #8「試験~しけん~」8 | トップページ | #9「冬始~ふゆのはじまり~」2 »