#9「冬始~ふゆのはじまり~」1
枯葉が落ち・・・
冷たい風が、冬の始まりを告げた。
授業が終わって、カイト達はほうきを持って掃除をしていた。
「ふぅ・・・」
冬の始まり・・・どこか、もの悲しい・・・気持ちになって・・・
「うっ!」
カイトは急に気分が悪くなってしゃがみ込んだ。
「げほっ、げほっ・・・」
「おい、カイト大丈夫か?」
カイトは、シンジに返事の代わりに手で交わした。
少し急ぎ足でカイトは教室を出た。
・・・・・・。
少しして、カイトは教室に戻ってきた。
「あはは、ごめん皆・・・」
「カイト、本当に大丈夫なのか?」
「だ、大丈夫大丈夫」
カイトは笑って誤魔化した。そして、何事も無かったかのようにカイトは掃除を再開した。
「・・・・・・」
シンジは、カイトの事が気になったが、様子を見て大丈夫そうだったので掃除を続けた。
・・・・・・。
「カイトー、一緒に帰ろうぜ」
「ああ、いいよ」
珍しく、カイトとシンジとで帰る事になった。
「なぁ、カイト・・・」
「ん、何?シンジ・・・」
シンジがカイトの方に首を向けながら話し始めた。
「お前、本当に大丈夫なのか?」
「え?な、何だよ?」
「いや、だってさ・・・最近、よく授業を途中で抜け出す事あるからさ・・・」
シンジは、気になってる事をカイトに聞いた。
「あ、まぁ・・・ちょっと調子崩してる事はたまにあるけど・・・大丈夫だって」
カイトは、何事も無いかのようにシンジに答えた。
「なら、いいんだけど・・・カイト」
「ん?」
「あまり無茶をするんじゃないぞ。学園祭の事もあるんだし・・・」
シンジは、いつもより真剣な表情でカイトに話した。
「うん、分かってるよ・・・お母さんの事もあるし」
「まぁ、何だ、お前は1人じゃないって事・・・何か困った事があったら、俺にでも相談してもいいんだぜ」
シンジがそう話すと、カイトは「はは、大きなお世話だって」と、照れ隠しのように笑って返した。
「おっと、俺はここで・・・」
「それじゃ、シンジ」
「また明日な、カイト」
そうして、カイトとシンジは角で別れた。
「・・・・・・」
カイトはゆっくり歩き始めた。
「・・・・・・はぁ・・・」
カイトは空を見上げた。
最近、胸の辺りが苦しくなる感覚が・・・短くなっている?
もう、隠してる事・・・ばれてしまうかな・・・?
「・・・・・・」
出来る事なら、シンジにだって打ち明けたい気持ちで一杯だった。でも・・・
シンジの友達思いの気持ちが、カイトには逆に辛かった・・・。
カイトは少し不安定な気持ちのままで家に着いた。
「フォー」
「ただいま、フォー」
「フォー♪」
家に着くと、フォーが笑顔で迎え入れてくれた。
「ごめん、フォー・・・今日はちょっと・・・」
「フォーゥ・・・」
カイトはそうフォーに告げて、静かに家に入っていった。
「ただいま」
「おかえり、カイト」
カイトは、母親にただいまを言った後、自分の部屋に向かった。
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