#8「試験~しけん~」8
「・・・なぁ、フォー」
「フォー?」
「お前、グライドと一緒に行きたい?」
「フォー?」
カイトは、フォーとグライドの様子を見て1つの思いを決めた。
「フォー、もしグライドと一緒に行きたいなら・・・お前が決めてもいいよ」
「カイト君?」
「カイト?」
カイトの突然の話に皆が驚いていた。
「カイト、お前フォーとはもう家族同然の存在じゃないのか?」
「そうだよ、カイト君・・・フォーだって・・・」
カイトは、一息置いてから・・・
「やっぱりフォーは人間と一緒よりも、より気持ちが分かる分かり合えるドラゴンと一緒の方がいいって・・・フォーを傷付けた同じ人間といるよりは、きっと・・・」
カイトは、あの時のフォーの痛々しい姿を思って、皆に話した。
「カイト・・・」
「カイト、まだそんな事を気にして・・・」
「カイト君・・・そんな事・・・」
ハルがカイトに言いかけた時、先生が前に出てきた。
「分かりました・・・この子に決めてもらいましょう・・・それで良いですね、カイト君?」
先生優しい眼差しでカイトに話した。
「フォーゥ・・・」
フォーは、少し悲しげな表情を見せた。
「前は俺の勝手でフォーと別れようとしたけど、今度はフォーが決めて良いよ・・・もし、俺といたかったらいてもいいんだ、フォー」
カイトの目は真剣だった。
「フォーゥ・・・」
フォーはハル達とカイト達を交互に見ていた。
そして・・・少し経って、フォーは動き始めた。
フォーはゆっくりと・・・
「フォー?」
カイト達の方へ向かって行った。
そして、カイトに近付いて頬擦りをした。
「フォー♪」
「あはは、フォー・・・本当にいいのか?俺と一緒で・・・」
「フォー♪」
フォーは嬉しそうな顔で返事をした。
「えへっ」
「うふふっ」
皆はカイトとフォーの姿を見て微笑んでいた。
・・・・・・。
「それじゃ、行ってくるね」
「ああ、元気でな」
「頑張れよ」
「気を付けてね・・・」
ミナギは泣きそうな顔をしていた。
「ミナギちゃんほら・・・泣かないで。必ず戻ってくるから」
ハルは、ミナギの頭を撫でながら言った。
「うん・・・」
「そろそろ出発しまーす。忘れ物は無いですか?」
「じゃっ!」
ハル達は飛び立って行った。
姿が遠くに消えても見送りを止める事は無かった。
・・・・・・・・・。
「行っちゃったね・・・」
「うん・・・」
「フォーゥ・・・」
カイトとミナギ、フォーは夕焼けを見ながらハルの事を話していた。
「フォー、ありがと。こんな俺だけどよろしくな」
「フォー♪」
「くすす」
カイトとフォーの微笑ましいやり取りに、ミナギは笑顔になっていた。
ハル・・・
立派になって、帰ってきてね・・・
皆で待ってるから・・・・・・。
#8「試験~しけん~」end.
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