#7「雨宿~あまやどり~」10
・・・・・・・・・。
ミナギの姿を見かけたのはそれから2日後の学食だった。
遠くからミナギと友達が楽しそうに話をしながら食事をしてる姿を見てカイトは安心した。
・・・・・・。
そして、今日も無事に授業を終えて帰ろうと、カイトは下駄箱で上履きに履き替えた。
「カイトー」
カイトは、誰かに呼ばれて振り向いた。
ミナギだった。飾りの無い笑顔でカイトの場所まで走ってきた。
「あっ、ミナギ」
「良かった、まだ校内にいて」
「ミナギ、元気になって良かったよ。昨日は見なかったから心配だったけどね・・・」
カイトは、ミナギの表情をみてもう大丈夫だと思った。
「えへ、一緒に帰ろっ、カイト」
「ああ、いいよ」
ミナギは急いで上履きに履き替えた。
・・・・・・。
「はい、ミナギ」
「わぁ、ありがとカイト」
少しして、町の広場に着いた。
カイトがおいしいアイスがあるからと、少しだけ寄り道をした。
「俺、ここのアイス凄く好きでよく買って食べてるんだ」
「うん、おいしい」
ミナギは、カイトからもらったアイスをおいしいそうに食べていた。
「ミナギって、ここのアイス食べた事あったっけ?」
「うん、あの・・・男の子と」
「そうなんだ」
ミナギの隣にカイトも座った。
「まだ、思い出せないんだよね・・・その男の子の名前」
ミナギは、少し淋しい顔をして頷いた。
「・・・でも私、きっと会えるって信じてるから」
「うん、そう強く信じていればきっと会えるよ」
カイトにそう言われてミナギは笑顔になった。
・・・・・・。
「ねぇ、カイト・・・」
アイスを食べ終わって少しして、ミナギが話し掛けてきた。
「えっ、何?ミナギ」
「この前はごめんね・・・私、また発作を起こしちゃって・・・」
ミナギが悲しげな顔をして話した。
「ううん、いいよ。ちょっとびっくりしちゃったけどね・・・」
「私・・・酷い事しなかった?・・・あの時の事、あまり覚えてなくて・・・」
「い、いや・・・雷の音と光に驚いていただけだったけど・・・」
言ったらきっと、悲しむだろうな・・・
ミナギの目の前で、ミナギの両親が雷に撃たれて死んでしまった事・・・
雷でのショックで、俺の事を拒絶していたなんて事を・・・
とりあえず・・・ミナギの気持ちが真っ直ぐに立ち直るまで黙っている事に決めた。
「そう、なら良かったけど・・・」
「気にする事はないよ、ミナギ。こうして俺の前で元気な姿を見せてくれたしね」
「えへっ、ありがと・・・カイト」
カイトの励ましの言葉にミナギは笑顔で答えた。
2人はしばらく町を眺めていた・・・色々な人が買い物をしたり、女の子と小さなドラゴンがじゃれあってたり、旅行客がいたりと、とても賑やかな光景だった。
「ねぇ、カイト」
「ん、何?ミナギ」
「何だか私達デートしてるみたいだね」
「えっ!?」
ミナギの言葉に、カイトは思わず驚いた。
「えへへ・・・」
「あ・・・えっと・・・」
今まであまりそんな事を意識してはいなかったけど、改めてミナギにそう言われるとカイトは急に恥ずかしくなってきた。
でも、こんな気持ちも悪くないかもとカイトは思った。
#7「雨宿~あまやどり~」end.
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