#8「試験~しけん~」5
それから一週間後、最終試験に残った6人による再試験が開始された。
カイト達が見守る中、危なっかしい感じながらも何とか無事に全員グラウンドに戻ってきた。
後は・・・結果を待つだけだった。
・・・・・・・・・。
約1時間後、合格発表を知らせるアナウンスがされた。
押し潰されそうな緊張の中、ハルは名前を呼ばれるのを待った。
1人、また1人と、ゆっくりと名前を呼ばれ、残りあと1人だった・・・
「・・・・・・・・・」
祈るような思い、ハルの緊張がカイト達にも伝わるようだった・・・
そして・・・
「受験番号08、ハル」
「・・・・・・・・・あっ」
名前を呼ばれた瞬間、ハルは嬉しくて喜びよりも先に涙が流れていた。
「おめでとう、ハル」
「おめでと、ハル」
「やったな、ハル」
皆から祝福を受けて、ハルは言葉にならない程の喜びをもらっていた。
ハル・・・おめでとう・・・
これで、夢に一歩近付いたね・・・
離れてしまうのは淋しいけれど・・・
・・・・・・・・・。
それから二週間後、今日はハルの旅立ちの日だった。
ハルはグライドに荷物を乗せて、出発する準備をしていた。
「もう、お別れなんだねハル・・・」
「また、この町に帰ってくるから。・・・皆に会いたいし」
「ハル、頑張ってこいよ」
「うんっ」
別れを惜しむかのように、皆に笑って交わした。
決して泣かないように・・・。
「あれ?カイト君は・・・?」
ハルがふと、辺りを見渡すとカイトの姿が無かった。
「カイトはさっき、洗面所に行くって・・・」
「わたし、カイト君に会ってくるね」
「あっ、私も・・・」
ミナギがそう言おうとした時、ハルは右手でいいよと静止した。
「ごめん、ミナギちゃん。少し2人で話したいの・・・」
「う、うん・・・」
ハルは、ミナギにそう言って洗面所の方へ向かった。
・・・・・・。
「・・・カイト君ー」
ハルはカイトを呼んでみたが、反応が無かった。
「カイト君・・・?」
ハルが洗面所の中を覗いてみてもカイトの姿が無かった。
「・・・けほっ」
「えっ?」
ハルが別の場所を探そうとした時に、誰かが咳き込むような声がした。
「カイト君?」
ハルは洗面所の中に入っていった。
角を曲がるとカイトがいて、何かを飲んでる姿が見えた。
「カイト君・・・?」
「あっ、ハル・・・」
カイトは、突然のハルの登場に一瞬だけ焦った。
「どうしたの、カイト君・・・大丈夫?」
「あっ・・・うん、大丈夫。ちょっとだけ気分が悪くなって・・・」
そう言ってるカイトの表情を見ると、かなり顔色が悪かった。
「カイト君、大変・・・保健室に行った方が・・・」
「え?・・・いや、そこまでしなくても大丈夫だよ・・・」
カイトはとっさにハルとの距離を離した。
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