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#7「雨宿~あまやどり~」8

「弟が・・・いたの。私達に」

「えっ!?」

カイトは、思わず大きい声を出してしまった。

「実は、私もミナギと同じ病気を持ってたの。もう死ぬんだって覚悟を決めてて・・・ベッドの上で空しか見てなくて・・・その時に弟が持ってきてくれたの、その薬を・・・ミナギの話に出てきたものと一緒の」

「エリさんも・・・」

カイトは、エリの話にただ頷く事しか出来なかった。

「その薬を飲んだら奇跡的に良くなったの。弟にあの薬どうしたのって聞いても答えてくれなかったけど・・・」

「それで弟さんは・・・」

「その半年後に、体が冷え切って亡くなったの・・・凄く悲しかった。死ぬ直前に私に言ってくれて・・・お姉ちゃんを助けたくて・・・それで願いをかけたって」

「・・・・・・・・・」

カイトは何も言葉が出なかった。

「私の為にって・・・悲しかった・・・でも、今は私の中で弟は生きてるってそう思ってるよ」

エリは涙目でカイトに話した。

「どうして、そんなエリさんにとって辛くて悲しい話をこんな俺なんかに話してくれたんですか?」

カイトは、気になった事をエリに聞いた。

「似ているの、カイト君・・・あなたを見てると、何だか弟といるみたいで・・・」

「俺が・・・?」

カイトはエリのその答えに少しだけ驚いた。

「カイト君、あなた何か隠し事とかしてない?」

「えっ?」

エリの突然の言葉にカイトは一瞬だけ固まった。

「どうして、そんな事聞くんですか?別に何も隠し事なんて・・・」

カイトは隠し事とゆう言葉に一瞬だけ焦ったが、なるべく表情を変えないように答えた。

「さっきね、カイト君がミナギを連れ戻してきてくれた時に私、少しあなたの胸の辺りに触れて普通じゃない位の寒気がしたの・・・あの時の弟と同じ冷たさで・・・」

「あっ・・・」

まるで、全てを見透かされてるように話すエリに、カイトは一瞬だけ言葉に詰まった。

「きっとそれは、雨に当たって体が冷えたからだと思います・・・」

「誤魔化さなくてもいいよ・・・そんな事でカイト君を嫌ったり怖がったりしないし」

エリは、優しくて落ち着いた表情でカイトに話した。

「・・・・・・」

「カイト君、こんな私でも良かったら話してくれないかな・・・?その冷えた胸の理由を・・・」

そこまで言われて、もう誤魔化すのは無理だとカイトは思い、静かにエリに話し始めた。

「俺、母さんを治したくて・・・願いを叶えてくれる人がいるって聞いて、それで・・・」

「ぐす・・・やっぱり私の弟に似てるよ、カイト君。その優しさも・・・」

エリは涙を流しながらカイトに話した。

「エリさん・・・」

「でも、感心しないよ・・・もし、それでカイト君が死んでしまったらカイト君のお母さんはどう思うかな・・・?」

「・・・・・・」

カイトは、エリの言葉に何も返す言葉が見つからなかった。

「あの時の男の子も、その願い事でミナギを助けたのかなって思ったら何だかとても悲しくなって・・・考えたくないけど、死んじゃってるかもって・・・」

エリは悲しくなって思わず顔を伏せていた。

「エリさん・・・俺・・・」

「ごめんね、カイト君・・・あまりこんな話、しなくても良かったね・・・」

エリは泣きながらカイトに話した。

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