#6「空上~そらのうえ~」4
ゆっくりと翼をはためかせ、フォーとグライドは地面に降り立った。
「ふぅー・・・」
「はぁ・・・」
「よっと」
カイトは久しぶりの感覚に心が満たされていた。ミナギは初めて空を飛んで、言葉にならない程の感動を覚えていた。
「どうだった?ミナギちゃん、初めての空の散歩は・・・」
「えへっ、凄く良かったよ。本当に鳥になったみたい」
ミナギは、少し興奮しながら笑顔でハルに答えた。
「ミナギちゃんにそう言ってもらえると私も嬉しいよ」
「最初は少し怖かったけど・・・カイトのおかげで怖くなかったよ」
「ただ、大丈夫だよってミナギに言っただけだけどね」
ミナギはカイトの顔を見ながら嬉しそうにハルに話した。
「やっぱり、あんた達お似合いね・・・うふふ♪」
ハルにそう言われて、ミナギは恥ずかしそうに少しだけ顔を伏せた。
「いいよ、ハル・・・茶化さなくても・・・」
「あーらあら照れちゃって、もう・・・」
「くすっ」
「あはは・・・」
めったに味わう事のない空気に少し戸惑いながらも、こんな感じも悪くないかもとカイトは思った。
「それじゃ、私はもう1回行って来るね」
ハルはそうカイト達に言って、再びグライドと飛んで行った。
「ふぅー・・・」
カイトははハルの飛んでゆく姿を見送りながら、空を見上げていた。
「えへっ、カイトありがと」
「うん、ミナギが喜んでくれて俺も良かったよ」
「まさか本当に空を飛べるなんて夢みたいだよ」
ミナギは目を輝かせながらカイトに話した。
「フォー♪」
フォーも嬉しそうに答えた。
「うん、俺も久しぶりに空を飛べて嬉しかった・・・」
「カイト?」
「フォー?」
カイトの話し終えた時の感じが気になって、ミナギとフォーは呼び返した。
「え?どうしたのミナギ、フォー?」
「カイト、大丈夫?何か・・・」
「えっ、大丈夫だけど・・・どうしたの?」
「ううん、ならいいんだけど・・・」
「・・・?」
ミナギの少し心配そうな顔にカイトはどう答えていいか分からなかったが・・・
そういえば・・・少し、体の感じが・・・
「ミナギ、もう一度空を飛びたい?」
「うんっ、カイトも一緒に乗るんだよね?」
「うん、それじゃ準備をしよ・・・」
「カイト?」
「あっ・・・」
・・・どさっ。
一瞬だけ、時が止まった感覚に包まれた。
「え・・・?」
「フォー!?」
目の前に、さっきまで話していたカイトが倒れ込んだ。
「カイト!どうしたの?しっかり・・・」
ミナギがカイトに触れた瞬間、凍り付きそうな冷たさに襲われた。
「つ、冷たい・・・」
「フォー!」
「カイト、カイトー!?」
カイトの体は触れる事が辛いほど体温が下がっていた・・・
ミナギはとにかくカイトの体を温めようとしても冷たすぎて出来なかった・・・。
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